
●そもそも三菱の自社製品は何があるのか
国内
グローバル
国内
アウトランダー、パジェロ、RVR、デリカD5、ミラージュ、eKワゴン、eKスペースの6車種(全く売る
気のない旧型EV除く)
グローバル
国内6車種+パジェロスポーツ、トライトン、ランサー、ランサーハッチバック、アトラージュの11
車種
SUVと古い車、採算の取れないPHEVしかない
●三菱自工を買うメリットは有るのか?
ネットで見かけた「三菱の技術力は国内最下位な上に不正の連鎖でマイナスのブランド力。
目先の売上は増えるが数年後の巨額減損が目に浮かぶ。安く買えたなんてのは甘い。そもそもまだまだ出てきていない不正もあるのでは?」
俺もそう思うんだよね、三菱は燃費だけでなくあらゆる所で組織的や個々の従業員が不正してそう。自動車業界で一番ヌルい会社と聞くし、不正や欠陥が燃費と一部車種の排ガス違反にはとどまらないでしょ。
一見日産のメリットが見えない。
三菱は過去の経営危機の結果技術は無い、有能な人材は脱出済みマトモな新卒は入らないランク、設備は知らないが投資できているとは思えない。
三菱側のいらない人間の処分費用も不正対応費用嵩むだろう。国内でのブランド価値はマイナスの域だし、三菱のラインナップはEVもSUVもある日産にとって競合してる。
唯一価値が有るのは日産がダットサンブランド立ち上げたけど低迷してる東南アジアでの三菱ブランドか…
しかし2500億円もかけて買う価値は…
と思っていたけれど
●意外と儲かってる三菱自工(ただし粉飾していない可能性を信じた場合)
調べてみると三菱は個々数年アジア、欧州、その他地域でここ数年年間利益1000億超えてるのか(国内と北米は利益ほぼ0だが)日産のプラットフォーム流用で1台あたりの開発費を抑えて三菱ブランド車を投入すればもっとアジア、欧州で利益上げられそう
※会社のいたるところで不正やいい加減な仕事がまかり通る組織なので、絶対粉飾してると思う
社員がヌルい会社ということは聞いている
< 地域別営業利益 >
2014年度実績(億円)

< 営業利益推移 >

●アジア市場
三菱自工や三菱商事の自動車販売の販路を使って日産ブランドも売れるからアジアはメリットあり。日産は東南アジアでのブランド力が低くディーラー網が非常に弱い。

●電気系エンジニアを大量確保
自動運転やEVに力を入れる日産はEV関係のエンジニアをかなり欲していて、家電業界から中途採用積極的に取ってる事を考えると、日産に劣る三菱のEVの技術はいらないだろうけどEV関係のエンジニアを調達できる

●軽が作れる?
軽の生産拠点として水島が手に入るメリットなのかよくわからないのもある(日産の国内工場の稼働率は低めなので、一時は日産で次期型軽自動車を国内自社工場で作るとかいう話もあった)
ただし肝心の軽のエンジンが古い代物しか無く挙句の燃費偽装になったので、エンジンは新規自社開発もしくはスズキあたりからの調達が必要なので、将来の軽廃止/税制変更の可能性を考えるとメリット有るかは微妙
個人的には国には軽規格をなくして欲しい。世界では売りようがない維持費が安いだけの特殊な車の開発に国内メーカーの開発力、資金、体力を奪われている。世界の警察アメリカ様がTPPの時に軽撤廃を国に飲ませて欲しかった。

●資金的余裕がまだある
三菱自工を完全に買収するとして一番厄介なのが
①不正の広がりが見えず最終的にどれほどコストが掛かるかわからない
②三菱自工の人間は工場等関係者を除き殆ど不要になるためリストラ費用が非常に嵩む
4600億円の現預金が三菱にはあるのでそれで収まるのであれば年間1000億円を稼ぐ企業をわずか2500億円で買えるのは超お買い得
●三菱買収理由まとめ
・三菱販路を使ったアジア市場での日産ブランドの売上UP
・現状の貧弱な開発環境、偏ったライナップにも関わらず年間利益1000億を稼ぐ企業を2500億で買える(ただし粉飾や隠された負債が無いければ)
・日産のプラットフォーム流用で開発費を抑えより利益が見込める
●三菱自工と関係者の今後
概ね三洋電機と同じ末路になると予想。
三菱事項本体:三菱自工自身による大規模リストラの敢行、不採算分野の北米と国内撤退。工場と現業社員は比較的残る。敗戦処理後に日産による完全子会社化。ブランドは残る。
国内ディーラー:売却して併売店、中古車販売店、あるいは全く違う業種へ。他社を含めて正規ディーラーとして残る店舗はほぼ無い。なぜなら国内のディーラー網は各社十分整っており国内市場は縮む一方だから。
海外ディーラー:三菱と日産の併売店になると予想
三菱系列や依存したサプライヤー:今後開発する車は日産のプラットフォーム流用となるので三菱時代の設計や生産設備の流用が出来ず厳しい価格競争に負けて自然消滅
パジェロ製造:ルノー、日産の国内外の工場に太刀打ち出来なければ消滅
三菱エンジニアリング:エンジニアリング請負から派遣会社として残る
その他子会社:売却or解散

まぁ三洋電機と違ってブランドは残るんでしょうけどね
●三菱車ユーザー・日産デイズユーザーの今後
保守部品の供給は当面少なくとも10年は大丈夫、それ以上は諦めよう。三菱系のサプライヤー倒産で入手不可になる可能性はある。
保守は日産ディーラーでも行われるので今より利便性が向上するかも(笑)
三菱の車は全て不正が有ることが発覚したのでリセールバリューはほぼ無く売れない、三菱と日産両方の新車購入に充てられるクーポンを不正による下取り価格の補填とされると予想。
例えば、新車購入後10年以内のユーザーに対して値下がり分現金保証もしくは現金保証の1.5倍の額面の三菱と日産で使えるクーポンを選べるなど
長期的には保守部品が無くなるので保守部品の有るうちに乗り潰すのが正解。ただし燃費は悪い。
●背景を妄想

三菱のなぜか大きな現預金、日産からの指摘から公開まで必要以上に時間がかかったこと、震災報道に隠して不正を公開したこと、燃費捏造以外にも25年以上続く燃費不正発覚更、不正を組織的ではなく一社員がやった調査中としか言わない悪会見、さらに事態は悪化しうる状況からスピーディーな幕引き…
間違いなく最初から日産は買うつもりだったと思います。
日産が軽の燃費不正に気がついた時(昨年秋)、不正発覚したとするとどこまで三菱の株価がどこまで下がるか、他の不正は何が考えられ、それにいくら掛かるのか恐らく三菱・日産ともに試算し大株主の三菱グループと調整していた。そこに運良く震災が発生したタイミングで三菱不正を公開し、一般の目に触れにくくなり両ブランドの毀損を和らげ、株を持つ投資家や企業は当然売り払うので安く買い叩いける。3度目の不正で三菱グループも流石に見放している、むしろ問題児を引き取ってもらって感謝されているだろう。
心配なのは更なる不正や粉飾の発覚です。しかし、あのゴーンさんのことですから日産が不正を知ってから、あるいは(前から三菱が日産グループになることも検討していた事を考えると)不正を知る前から三菱の本当の価値について計算していたであろうことを考えると、更なる不正や粉飾を含めて買う価値があると判断したのだと思います。
もちろんデイズ開発時は日産も三菱がここまで腐ってるとは知らなかったと思います。
日産もブランド低下、販売落ち込みなど巻き添えを食らいますので…